
『僕には鳥の言葉がわかる』(鈴木俊貴)
第24回新潮ドキュメント賞、第13回河合隼雄学芸賞のW受賞。
さらに昨日、書店員が選ぶノンフィクション大賞2025で大賞を受賞したとのニュースを見て、
普段はノンフィクションをあまり読まないのですが、手に取りました。
理科×ノンフィクションと聞くと、硬くて眠くなりそう…と思っていたのですが——
目次だけで「これは面白い」とわかる言葉のセンス。
語り口の軽やかさが心地よくて、研究の大変さや熱中ぶりまで伝わってきます。
著者は国語の教科書にも書き下ろしていて、子どもたちの音読で何度も耳にした内容もありますが、教科書には入りきらない面白さが本書には満ちています。
本文イラストは著者本人の筆。
素朴で味わいがありつつ、動物学者ならではの目線がにじむタッチでした。
「動物の研究者あるある」
「研究室の日常」
「軽井沢の森」
「お金がない状態でのフィールドワーク」
その場にいて、工夫しながら一緒に研究しているような気分になる一冊でした。
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